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Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー

第16章 Step 16



「ねぇ、あれ、里見さんじゃない?」

ん?
里見さん?
女子学生の声に振り向く一果

「どれどれ、理系研究室の里見さんが何で文系キャンパスにいるのよ」

「いやっ、あれ、本当に里見さんだわ」

里見が座るベンチはあっという間に女子学生達に囲まれてしまった




「君達、山野一果って知らないかな」

「山野… 知ってます、私、同じ講義受けてます」

「今日は見かけた?」

「どうだったかな… あの、彼女、あまり目立たないから」

「そう…」




翌日、文系女子達の間で里見の噂が飛び交った

「えー、マジ? いいなぁ、昨日の講義、サボるんじゃなかったー」

「そうなのよー、それでね… あ、来た来た、ねぇ、山野さん、あなた、里見さんと知り合いだったの? 昨日あなたの事、聞かれたのよね」

「…うん」

「本当に知り合い? ね、どういう知り合いなのよ」

「家庭教師、お願いしてたの」

「えー、マジぃ? あーん、里見さんがカテキョウだったらあたし、もっと勉強したのになぁ」

「嘘ばっかり、里見さんがカテキョウだったらあんた、勉強なんか手に付かないくせに」

「確かに、それもそうだわね」


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