Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第17章 Step 17
里見が一果を捜して文系キャンパスに現れたその日から毎日のようにメールが来るようになった
___聞きたい事がある、会いたい
___どうしても会って聞きたい事がある、会えないかな
___遅くにごめん、聞きたい事がある、返信待ってる
このまま黙ってメールをスルーし続けるのもそろそろ限界だ
大学でもずっと逃げ続けているわけにもいかない
どうしよう…
翌日から一果は今まで以上に気を遣った
講義後はできるだけ皆とずらして外に出るようにしていた
里見が一果を捜して文系キャンパスまで来たという噂は佐藤の耳にも入っていた
一果は何も言わないが様子が少しおかしい
「帰るのか?」
「あ、うん」
「俺も、今日は練習無いから一緒に帰ろうぜ」
「うん」
「何か食べてくか?」
「うーん、今日はやめとこうかな」
「一果」
「里見さん…」
「ちょっといいかな… 話があるんだ」
「はい」
一果は頷くと佐藤に一言断り里見の後について歩き出した
「佐藤君、ごめんなさい、今日はここで」
「ああ、また明日な」