Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第2章 Step 2
「山野さん、今帰り?」
「あ、佐藤くん」
「ここ、寄るの?」
「あ、はい」
「俺は今日、部活休みでさ、参考書も欲しかったし、ちょうど良かった… 一緒に、いいかな」
「え? で、でも…」
佐藤元志は入学当初から上級生とレギュラー争いするほどサッカーが上手く、浅黒く日焼けした肌に長身で手足の長い彼は学年を問わず上級生の女子からも人気があり、早速ファンクラブが出来たとか出来ないとか噂が流れていた
うう… どうしよう、こんなとこ誰かに見られたら睨まれちゃう
気まずさを誤魔化すため、手当たり次第に本を手に取ってみる
「一果ちゃん?」
「あ、先生」
「何か探し物?」
「あ、いえ、そういうわけでは…」
「山野さん、知り合い?」
「うん、先生」
「こんにちは、里見です」
「こんにちは、佐藤です」
「それじゃ、佐藤くん、私はここで…」
「一果ちゃん、もういいの?」
「はい… 佐藤くん、さようなら」
「ああ… また、明日な」
ああ、良かった
先生のおかげで助かった
内心ほっとする一果
「今の、友達?」
「あ、いえ、同じクラスで…」
「そうなんだ」