Slow🎵Step 〜不器用な二人のラブストーリー
第18章 Step 18
だが、それは大きな誤算だった
一果と距離を置いてから俺は少しでも時間が空くと気分転換と称して、文系、理系、共用スペース近くまで行くことにした
タイミングが良い時はたまに一果とすれ違うことができたが一果は気づいていないだろう
何人か友達ができたようだった
友達と、はにかみながらも楽しそうに笑っている一果の姿を見て少し安心した
目立たなくておとなしい一果だが密かに狙っている奴は多いらしい
しばらくして一果が誰かと付き合い始めたという噂を耳にした
あいつなのか?
相手が誰にせよ今更どうする?
俺は自分から一果を手放したんだ
それともあの時、約束すれば良かったのか?
この先、どうなるかもわからない約束を…
一果が少しずつ俺の手の届かない処へ離れて行く
一度羽ばたいて大空を知ってしまった鳥はもう籠の中には戻らないだろう