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同じ空の下で

第15章 普通の基準

『普通』


この言葉

一言で言えば、本当に嫌い


普通の基準ってなんなの?
誰のどこの生活が真ん中?
それなら、私は普通じゃないの?って


以前に結婚まで考えた人の親族に言われた言葉



“普通の家庭で育った普通のお嬢さんがよかった”



その時、またか…って思ったし

どうにもならない絶望感が頭の中をぐるぐるして


とにかく苦しくて
泣かないように、その場は曖昧な笑顔でやり過ごして

ただひたすら堪えていた




半日我慢して仕事して

誰かに自分の存在を肯定してほしくて

休憩中にすがった人


一番優しくて大切なひとに疑問をぶつけた…


普通って何?そんなに大切なことなの?って


全部を言わなくても
全部をわかってくれるその人は


私が言葉にできない想いまでも言葉にしてくれて

私のために怒ってくれて


私は涙が止まらなかった…


我慢すれば済まされるもの
耐えれば手に入るもの

それなら、いくらでも自分の気持ちをどうにかできる


でも、どうしても手に入らないものがあって


それは私が何よりも欲しかったもので


それを言われたとき
悔しいよりも怒りよりも


ただただ悲しくて辛くて



存在も今まで歩いてきた道も

全部が否定されたような気がした


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