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同じ空の下で

第15章 普通の基準

子供の頃は周りが多目に見てくれて、済まされてきたものがあって


でも、それも高校を卒業するくらいの年になると

やっぱり済まされなくなって

必要になって


教えてくれる人は居なかったから


私は図書館に通い続けた


書物からの知識が正しいのかどうか

今もそれが通用するのかどうか

それさえもわかならかったけど

頼るところはそこしかなかったし


やっぱり親がいないからね…と言われたくなくて

ある種、意地になってた…



冠婚葬祭のマナーの本

お料理の本

お礼の仕方

近所付き合いの仕方

言葉遣い

その他諸々…


とにかく、ちゃんとしたかった

ちゃんと学校に行き、ちゃんと働き

社会人として自分で稼いで自立して生活する


疲れたときに帰る場所はない

いやになっても
それを話す相手もいないし、愚痴をこぼしたりも出来ない


でも、毎日きちんと生活する


誰に向けてなのかわからないけど
そこだけは意地になってた







私自身、人並みに普通になりたかった

普通がわからないまま
それでも普通が一番で…



失敗は許されないと思っていた

普通のレールから外れてしまうから



嫌いだと思うこの言葉を

理不尽な世の中を


誰よりも囚われて、過敏に反応してたのは、きっと私自身





『普通』

今は

そうつい先日も素敵な普通の定義をもらって


他人から見たら普通じゃなくても

私自身は今が精一杯の私のあり方なんだと

心も気持ちもとても凪いでる

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