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同じ空の下で

第4章 幸せ

家族のこと


思い出すのは幼かった日々

でも

笑顔の思い出は

思い出すたびに色褪せていくような気がして

磨り減っていってしまうような気がして…



それに

長く思い出に浸っていると

最後は、後悔と悲しみに押し潰されてしまう事がわかっているから



思い出すことにも決心がいる





ここで少しだけ話せるとしたら

それは兄のこと


私とは7歳違い

大学生になってからは一人暮らしで

帰ってくるときには必ず私の好きなモンブランを買ってきた


優しくて物静かな人


妹の私にも、母にも、いつも穏やかで
暖かな空気を纏っていて

歳が離れていたせいもあったとは思うけど


私は本当に兄が好きだった



それは今も大きな影響を与えられてて

少し年上の、暖かな穏やかな雰囲気の人に、心惹かれる自分がいる

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