3月の僕たち
第2章 雑談2
僕と圭一は買い出しに出かけて戻ってくると丁度マンションのエレベーターホールで部活帰りの大きな荷物を抱えた慶矩と会った。
「あ、もう買い出し済んだンだ?
」
慶矩は僕たちが手にしたスーパーの袋を見ていった。
「ああ、ところでダイは明日誕生日なんだって?」
圭一の言葉に慶矩は大きなカバンの陰からケーキの箱を差し出し、僕に押し付けた。
「うん、これ持って。この間チョコは食い飽きているっていってたろ?フルーツタルトにしてみた」
可愛い恋人に会うために部活後だというのに、疲れた様子は全く感じさせない。
「慶矩にしては気を回したな。でも・・・」
慶矩はダイと付き合うようになって変わった。
以前は、他人や周囲を顧みない俺様だったが、少しは他人のことが気遣えるようになったらしい。
「・・・誕生日は二人きりになりたいんじゃないのか?」
圭一は「俺たちお邪魔虫だろう」といった。
「う~~ん、日本にきて友達に祝ってもらったことないっていうからさ。
明日はバドのみんなともワイワイやるのもいいかなって思たんだ」
「だからって誕生日の前夜に俺たちが泊まったらお邪魔虫だろ?
普通友達とお泊まり会したいって思うかぁ?」
「まあようやくこういうコミュニケションが取れるようになってきたのはいいことだろ?
ダイがそうしたいって云うんだから協力してよ」
僕はマジマジと弟の顔を見た。
なんだか去年の今頃の慶矩と同一人物とは思えないほど大人びた表情・・・・・・。
慶矩も恋をしているんだ。
―――“俺様王子”をここまで変えたダイってすごいな。
「あ、もう買い出し済んだンだ?
」
慶矩は僕たちが手にしたスーパーの袋を見ていった。
「ああ、ところでダイは明日誕生日なんだって?」
圭一の言葉に慶矩は大きなカバンの陰からケーキの箱を差し出し、僕に押し付けた。
「うん、これ持って。この間チョコは食い飽きているっていってたろ?フルーツタルトにしてみた」
可愛い恋人に会うために部活後だというのに、疲れた様子は全く感じさせない。
「慶矩にしては気を回したな。でも・・・」
慶矩はダイと付き合うようになって変わった。
以前は、他人や周囲を顧みない俺様だったが、少しは他人のことが気遣えるようになったらしい。
「・・・誕生日は二人きりになりたいんじゃないのか?」
圭一は「俺たちお邪魔虫だろう」といった。
「う~~ん、日本にきて友達に祝ってもらったことないっていうからさ。
明日はバドのみんなともワイワイやるのもいいかなって思たんだ」
「だからって誕生日の前夜に俺たちが泊まったらお邪魔虫だろ?
普通友達とお泊まり会したいって思うかぁ?」
「まあようやくこういうコミュニケションが取れるようになってきたのはいいことだろ?
ダイがそうしたいって云うんだから協力してよ」
僕はマジマジと弟の顔を見た。
なんだか去年の今頃の慶矩と同一人物とは思えないほど大人びた表情・・・・・・。
慶矩も恋をしているんだ。
―――“俺様王子”をここまで変えたダイってすごいな。