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3月の僕たち

第3章 雑談3

エレベーターを降りダイの部屋の前まで来ると、慶矩がポケットから鍵を取り出す。


「それ合鍵か?」


圭一が目敏く指摘した。


「あ、うん。でももうすぐ返さないといけないよなぁ。寂しいもんだな」


玄関ドアを開けて中へ入る。


「あ、丸山たち居るんだ」


未だ慶矩はハルちゃんを丸山と呼んでいる。

ハルちゃんと呼ぶには腰が引けるし、名前の呼び捨ては上出君に睨まれるし、名字はダイと同じで違和感があるらしい。

まあ、ハルちゃんが訂正するまではそれでいいのだろう。


慶矩は勝手知ったる何とかで、まず脱衣場に部活バッグを置きに行ったようだ。


僕は玄関からキッチンで買い物袋を置き、リビングのドアに手を掛けた。


『・・・くうぅ―――』

誰かの苦しげな声が聞こえる。


―――何・・・?


『も・・・みんな・・・来るこ・・・ろ・・・』

『わかってる』


―――ハルちゃんと上出君?


『あ・・・、せん・・・ぱ・・・』


―――こ、これって・・・

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