
3月の僕たち
第1章 雑談1
「・・・今年もすごかったじゃないですか。金曜日の下校の時に大きな紙袋で・・・」
むさくるしい男子校の中にあって彼の周りだけマイナスイオンが発生していると噂されるほどの容姿端麗清廉潔白な佇まいの美少年が、少しふくれっ面で答えた。
―――ああ、ハルちゃんって本当に綺麗で可愛い♡
宥めるように頭をなでてハルちゃんに声を掛ける。
「ハルちゃんも中学の頃は共学だったんだから、たくさんもらったでしょ?」
ハルちゃんは家の事情で学校では丸山遥暉(マルヤマハルキ)で通している。
僕も以前は‘丸山君’と呼んでいたけれど、ようやく‘ハルちゃん’と呼ぶことに慣れてきた。
「そうでもないです」
ポソリと答えた彼に、ここに居るメンバーで唯一中学時代を知っている上出君が訂正を入れる。
「嘘つけ、1年生の時から段ボールに3箱はもらっていたじゃないか。土曜日も女の子が家まで来てたし・・・なあ」
照れ隠しか微かに笑みを浮かべるとハルちゃんはこの場で一番のモテ男に話を振った。
「そういえば、慶矩さんはバレンタイン前日・・・金曜の朝から大量に抱えて登校していましたよね?」
ダイのベッドの上で長い手足を伸ばしてすっかり寛いでいる王子様のようなこの男岡田慶矩(オカダヨシノリ)は、
僕の弟であり、
ダイの恋人であり、
圭一の部活の後輩でもあり、
上出君を天敵と呼び
ダイに過保護なハルちゃんを影で
---小姑---と呼んで煙たがっている。
むさくるしい男子校の中にあって彼の周りだけマイナスイオンが発生していると噂されるほどの容姿端麗清廉潔白な佇まいの美少年が、少しふくれっ面で答えた。
―――ああ、ハルちゃんって本当に綺麗で可愛い♡
宥めるように頭をなでてハルちゃんに声を掛ける。
「ハルちゃんも中学の頃は共学だったんだから、たくさんもらったでしょ?」
ハルちゃんは家の事情で学校では丸山遥暉(マルヤマハルキ)で通している。
僕も以前は‘丸山君’と呼んでいたけれど、ようやく‘ハルちゃん’と呼ぶことに慣れてきた。
「そうでもないです」
ポソリと答えた彼に、ここに居るメンバーで唯一中学時代を知っている上出君が訂正を入れる。
「嘘つけ、1年生の時から段ボールに3箱はもらっていたじゃないか。土曜日も女の子が家まで来てたし・・・なあ」
照れ隠しか微かに笑みを浮かべるとハルちゃんはこの場で一番のモテ男に話を振った。
「そういえば、慶矩さんはバレンタイン前日・・・金曜の朝から大量に抱えて登校していましたよね?」
ダイのベッドの上で長い手足を伸ばしてすっかり寛いでいる王子様のようなこの男岡田慶矩(オカダヨシノリ)は、
僕の弟であり、
ダイの恋人であり、
圭一の部活の後輩でもあり、
上出君を天敵と呼び
ダイに過保護なハルちゃんを影で
---小姑---と呼んで煙たがっている。
