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3月の僕たち

第1章 雑談1

「うん、慶矩くんがもらってきたのが冷蔵庫にまだまだあるよ?」


だがダイは気にした風もない。
さりげなく圭一が話しを逸らす。

「な、なんだ、慶矩から取り上げたのか?ダイ、やるなぁ」

圭一じゃああるまいし、そんなヤキモチ女房みたいな事を天然なダイがするわけない。

「そんなつもりじゃ・・・」

 ダイが真っ赤になって否定した。

「あ!いい事、思いついた」

圭一が唐突に身を乗り出した。

「チョコフォンデュパーティーしようぜ、バドで」

「学校で?」

「ああ、泰弘もダイも手伝え」


 ハルちゃんも話に乗っかる。

「僕のチョコも使って下さい」

「あ、俺のも拠出するぞ」


 気の毒な上出君。ハルちゃんがするなら、そうしないわけにはいかないと思った?


「他校生なんだから別にいいのに・・・」

「処理してもらえると俺としては有難いんです」

「・・・・・・」


はいはい、そういう立場が理解できないモテない男ですよ、僕は。



「じゃ、来週の金曜日にもう一回ここに集まろうぜ」


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