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第10章 〜浮気騒動?〜
花音と正式に付き合い始めて約一ヶ月が経過した頃、
直生が遊んでいた女性陣のうち、高校時代から続いている同い年の彼女……藤河亜紀(ふじかわ あき)と直生は対峙していた。
いつも直生が誘うわけでもなく、彼女の都合で直生に着信が入る。
あまり気にすることなく電話を取ってしまって、亜紀の勢いに負けつつ……カフェにて対面していた。
「直生、そんなに憮然としないでよ。
そんなに誘ったタイミング悪かった?」
オーダーを通したあとで、憮然とした表情を浮かべていた直生に、亜紀は苦笑気味にそう聞いてきた。
「あー…。亜紀とは長い付き合いだからさ、正直に言うと……俺、今本気な娘がいるんだよね。
マスコミに流れただろ?」
「あぁ、柚木花音?
珍しいね、直生が本気になるなんて。
でも、私は彼女がいても気にしないよ?」
満面の笑みを向けてそういう彼女に、直生は嘆息を吐き出した。
「俺が気にするんだよ。
今シーズン限りでレーサー辞めるしさ、本格的に会社継ぐから……スキャンダルは正直困るんだ。」
「あれだけ浮世流しといて、今更マジメになろうとしたってムダよ。
大体、メディアに騒がれたって気にする性分じゃないでしょ?」
「うん、俺はね。だけど、本社が困るんだ。
だからさ、亜紀ともこれっきりにしたい。
どれだけ誘ってくれても俺は浮気はしないよ?」
そう断言した直生に、亜紀は持っていたグラスの中身を直生にぶっ掛ける。そうして、叫んだ。
「……っ、直生のバカっ!」
「亜紀の気が済むようにしたらいいよ。
でも、俺の気持ちは変わらない。」
ぶっ掛けられた水が滴っている髪の毛をかきあげながら直生は凛とそう答えた。
「どうして彼女なの? 彼女のどこがそんなにいいの?」
直生が遊んでいた女性陣のうち、高校時代から続いている同い年の彼女……藤河亜紀(ふじかわ あき)と直生は対峙していた。
いつも直生が誘うわけでもなく、彼女の都合で直生に着信が入る。
あまり気にすることなく電話を取ってしまって、亜紀の勢いに負けつつ……カフェにて対面していた。
「直生、そんなに憮然としないでよ。
そんなに誘ったタイミング悪かった?」
オーダーを通したあとで、憮然とした表情を浮かべていた直生に、亜紀は苦笑気味にそう聞いてきた。
「あー…。亜紀とは長い付き合いだからさ、正直に言うと……俺、今本気な娘がいるんだよね。
マスコミに流れただろ?」
「あぁ、柚木花音?
珍しいね、直生が本気になるなんて。
でも、私は彼女がいても気にしないよ?」
満面の笑みを向けてそういう彼女に、直生は嘆息を吐き出した。
「俺が気にするんだよ。
今シーズン限りでレーサー辞めるしさ、本格的に会社継ぐから……スキャンダルは正直困るんだ。」
「あれだけ浮世流しといて、今更マジメになろうとしたってムダよ。
大体、メディアに騒がれたって気にする性分じゃないでしょ?」
「うん、俺はね。だけど、本社が困るんだ。
だからさ、亜紀ともこれっきりにしたい。
どれだけ誘ってくれても俺は浮気はしないよ?」
そう断言した直生に、亜紀は持っていたグラスの中身を直生にぶっ掛ける。そうして、叫んだ。
「……っ、直生のバカっ!」
「亜紀の気が済むようにしたらいいよ。
でも、俺の気持ちは変わらない。」
ぶっ掛けられた水が滴っている髪の毛をかきあげながら直生は凛とそう答えた。
「どうして彼女なの? 彼女のどこがそんなにいいの?」