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秘密のアルバイト

第39章 引退DVD・・・1

1週間後、撮影のために待ち合わせの駅に向かった。


「気を付けて行っておいで。
相手がもしも撮影以外でおかしな態度をしたら、すぐに連絡しておいで。
俺、すぐに迎えに行くからさ」

「ありがとう、大丈夫だよ。
行ってきます」


俺の頬を撫で、何だかもう会えないんじゃないかのような、寂しい顔をする潤。
ギュッと手を握りかえした。
潤に送ってもらった俺は、昨日の夜、消えかけたあのイヤらしいマークを、もう一度つけられた。


「撮影に影響ないのかな?」


今さら考えても、ついたマークは消せないからしかたがない。


「まぁ、何とかなるだろう」

「二宮君、お待たせ」


社長とカメラマン、あともう一人のスタッフと男の子が一人。
俺と同じ年かなぁ・・・ってか、あれっ?
この人どこかで見たような・・?


「二宮君、彼が今回の相手の子ね。
名前は・・・」

「隆平です。久しぶりだね和也君。
旅行のとき温泉で・・・覚えてる?」


あっ、あのとき露天風呂で声かけてきたやつだ!


「あぁ、あのときの・・・」

「なになに、知り合い?」

「旅行のとき、温泉に入ってるときにたまたま会って、俺から和也君に声かけたんです。
覚えていてくれたなんて、嬉しいよ」


覚えていたわけではないんだけど・・・


「簡単に説明します。
二人で1泊の温泉旅行。
時間までにホテルへ行ってもらえれば、自由に観光してください。
メインは、温泉と就寝の2回で」


2回・・・ですか・・・


「電車の時間なので、ここからカメラ回します。
じゃあ、よろしく」

「嬉しいな、あの和也君と撮影出来るなんて。
俺の事、彼氏と思っていっぱい甘えてくれていいからね」

「あっ、あぁ・・・」

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