テキストサイズ

秘密のアルバイト

第41章 引退DVD2

「そもそも、この仕事を始めたきっかけは?」

「社長にこう言う話はしないでって言われてるんだけど・・・」

「えっ、何でだろう・・・あっ、そうか!
かずの最後の撮影で使おうとしてるのかもね」

「そうなのかな?」


本当かどうかはわからないけど・・・
社長、よまれてますよ。


「まぁ、少しならいいかも。
本当は、もっと前に辞めるつもりだったんだ」

「どうして?
と言うか、辞めるつもりだったのに、続けたのはどうして?」

「詳しくは言えない、正直思い出したくもないくらいの事があって・・・」

「あっ、そう言えば、いつ頃だったか、かず顔色も悪く凄く痩せた時があったよね。
もしかして、その頃?」

「まぁね。
いろいろと社長にも迷惑かけたし、しばらく続けようと思ったんだけど、やっぱもう限界かなってね」

「あの頃、本当にかず痩せちゃって、俺心配してたんだよ。
何があったの?」

「・・・」

「やっぱ話すのも辛いくらいな事なの?」

「・・・うん」


あんな悪夢、情けなくて話せるわけもない。


「ごめんごめん、変な事思い出させちゃって」

「うぅん、大丈夫。
心配してくれたのに、ごめんね、智」

「そろそろ食べ終わったかなぁ」


社長の声が・・・


「今の話は内緒ね」


店を出てホテルへ向かった。

智と撮影でHするのは、これで最後。
これが終わったら、ただの大学の先輩と後輩の仲になるんだな。


「今日で最後だね。何か寂しいよ」

「もう会えない訳でもないし・・・」

「彼氏がいても、たまには俺とも遊んでよね」

「うっ、うん・・・」

「心配しないで、襲ったりしないからさ」


この言葉に何故だか心の隅っこで、寂しさを感じた。
社長達に聞かれないよう、小さな声で話していると、車はホテルに到着した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ