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「お～い・・・智、かず」


潤の声がした。


「今から兄貴と出掛けなくちゃいけなくなったから、先に帰るわ。かず、気を付けて帰れよ。
智、かずを頼むな」

「ラジャー！」

「潤、いってらっしゃい！」


社長他、スタッフと出掛けた潤。
今日は寂しく家に帰る俺。


「本当にいい景色だね」

「うん、でももうこんな高級なところ来るとこもないね。って言うか、俺達じゃ来れないね」

「そうだな・・・
でもかずの彼氏が潤だったなんて、本当に驚いたよ。かずに彼氏がいることより、相手が潤ってことに軽くショックなんだけどね」

「別に隠すつもりはなかったんだよ。
ただその・・・言いにくかったというか・・・」

「言いにくいのは当たり前だよ。
あいつと俺が友達なんだからさ、気にしないで」

「何か・・・ごめん」

「謝らなくていいよ。
でもこれから大学の学食とかでも、気安くかずのこと誘えないな」

「そんなの大丈夫だよ。
今まで通り、見かけたら誘ってよ」

「でもあいつがやきもちやいたりしないかな？」

「さっきはあんな事言ってたけど、友達の智の事信じてるに決まってる、大丈夫だよ。
それに・・・」

「それに・・・何？」

「それに・・・
急に会わなくなるのって、何か寂しいでしょ？」

「諦めたといっても、もしかしたら襲っちゃうかもしれないよ」

「えっ!?」

「うそうそ、そんなことしないよ。
そんなこと潤にばれたら俺、ボコられるよ」

「・・・いい・・・よ｣

「えっ!?
いいよって・・・何がいいの？」


お湯に肩まで入り、智から少し離れた。


「何・・・どうしたの？」


ジャグジーの泡で口が隠れるように、お湯に入った。