テキストサイズ

秘密のアルバイト

第9章 不安

ざわざわしてるとはいえ、こんなにも人がいるところで、何を言い出すの?


「和也、今付き合ってる人いる?」

「いませんけど・・・」

「好きな人は?」

「今のところいませ・・・えっ?!」


・・・潤?

何で今、潤の顔が頭に浮かんだんだ?


「いないの?」

「はい・・・いないです」

「ふ~ん・・・そっか。
俺、和也の彼氏に立候補してもいい?」

「えっ?!何・・・言ってるんですか」

「俺、マジだよ。
慌てないから、考えておいて。
じゃあ俺、今から仕事だから・・・またね」

「あっ、はい・・・」


智はまた、俺の頭を撫でて、出ていった。


「智もマジで言ってるのかな?」


でも、智に言われるのは正直、嫌な気分にならなかったのはなぜだろう。


「仕事としてだけじゃなかったんだ。
智は、そちら方面の人だったんだ」


食堂を出て、自販機でコーヒーを買った。


「もしもまた、仕事が一緒になったとき、超気まずくなると思うんだけど・・・」


ベンチに座り、コーヒーを飲んでいると、Line が入った。


『2週間後、仕事お願いします』


今回ばかりは、智じゃなければいいけどな。

コーヒーを飲み干し、午後の授業を受けに行った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ