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遠くて近い

第29章 Tシャツ

「うぅ、やめてよ・・・やだよ・・・・・・ま、まさきっ」

「・・・っ!?ごめん・・・」

何と無く口から出た言葉

なぜ真咲のことを呼んだのかわからない

ただその言葉で夏樹は我に返ったようだった

とても落ち込んでいたが

「・・・ごめん、俺は・・・なんでもないやつなのに何の権利があってこんなこと・・・本当にすまなかった、できないかもしれないけれど忘れてくれ・・・」

最後の方は声が震えていた

頬を光らせながら立ち去って行く夏樹の後ろ姿を黙って見つめることしかできなかった

(何であんなこと・・・)

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