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愛璃を迎えにて、車を走らせる。

ドライブには最高の天気だ。

〜雨で無くて良かった。

雨降りはそれだけで、淋しくなる。〜

愛璃は、神様に感謝した。

運転する翔太の邪魔にならない程度に

愛璃は翔太と手を繋いだ。

二人が一番先に向かった所は、

秘境と言って良いほどの海岸。

駐車場から、細く真っ暗なトンネルを

歩いて抜けると、急に視界が広がる。

断崖絶壁の先に、エメラルドグリーンの

海岸が広がる。

言葉が出ない。

ため息だけだった。

あまりの景色に、息つく事も忘れそうだった。

「話には聞いていたけど、凄いな」

翔太の言葉に頷く。

二人はしばらく海を見ていた。

〜この海の色…心に焼き付けよう〜

観光バスが到着したのか、

狭い高台の展望台は人で溢れ出した。

「行こうか？」

「うん…」

淋し気に返答する愛璃の肩を抱き、

「また来ような」

優しく笑う翔太がいた。