無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

讓と食事の時に別れた理由を聞かれたが、

「すべて忘れたいから…」と

何も話さなかった。

「まぁ色々あるよなぁ〜

大丈夫だよ。愛璃ちゃんが

この街にいるって絶対言わないよ」

愛璃は讓に頭を下げた。

そんな事もあり、時々電話をくれた。

一度告白されそうになったが、

愛璃は惚けてずらした。

仕方ないなぁ〜と讓も

諦めた様子だった。

5年のうちには他からもお誘いは色々あったが

愛璃はいつも御断りしていた。

6年目には入った頃に、讓から翔太が結婚

した事を知らされた。

〜複雑な気持ち……でも翔太君しあわせに

なってほしいから、良かったんだよね〜

少しだけ吹っ切れた気がした。

そんなある日、仕事仲間の家にお誘いされ

手土産を持って出掛けると、自分以外にも

お客さまが2、3人来ていた。

「初めまして。橘です。」

そう挨拶する愛璃をニコニコと見ている

一人の男性がいた。