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きみ色にそめられて

第2章 転入生のきみ

キーンコーンカーンコーン

ホームルーム終了のチャイムがなる

「…ということだ、では次の授業の用意しといてねー」

途中から聞こえてきた先生の声
何かを話していたらしい。
僕はモノクロに見える
この教室の一番後ろの席で
またぼーっとしていた。

先生が教室から出て行くと

ざわざわと
クラス全員が1つの席に集まる

いや、神谷 瑛人
この僕をのぞいて。
中3の受験生だというのにみんな緊張感のないやつばっかりだ。
僕はため息をつきながら昨日の続きの参考書を開いた。
他の奴らが何を言ってようが勝手だ。陰口でもなんでも言ってればいい。
その無駄な時間を僕が勉強に使うだけだ。
勉強をすれば成績が上がる。
何よりもやりがいを感じる。
クラスメイトに変人扱いされている僕
そりゃそうだろう
机に一日中へばりついて勉強してる奴なんてクラスで浮くに決まってる。
僕の机の周りはいつも見えないバリアが張っているみたいに誰も近寄ることはない。

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