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I Love You のおきて

第1章 出会い

「瑠那、大丈夫なの?」

「平気だよ。これがあるしね」


谷川瑠那、17歳。


「それがあったとしても心配だわ……」


谷川実菜子、私のお母さん。


「お父さんも着いて行こうか?なんなら、お父さんが買ってくるぞ?」


谷川晴智、私のお父さん。


「そうよ、瑠那ちゃん。晴智に行かせるから大丈夫よ?」


谷川のり子、私のお祖母ちゃん。

皆、私の大切な家族。

お祖父ちゃんは3年前に亡くなってしまったけど、それでも皆明るく生活している。

……笑っている顏は見れないけど。


「もー、皆心配しすぎだから。私はもう大丈夫なんだってば」


私は杖を持ち、それで靴を探す。

今はもう夏だから、サンダルでも良いかもしれない。


「でもねぇ…。事故に遭ったら…」

「ハイハイ!私は1人で外に行きたいの。絶対にちゃんと帰って来るから」


私はお祖母ちゃんの言葉を遮ってそう言った。

そして手探りで玄関のドアノブを掴みドアを開けた。

初夏の心地良い風が私の肌を滑っていく。

光は感じないけど、暑さは分かる。


「じゃあ、行ってくるね」

「困ったことがあったら商店街の人達に聞くんだよ!」

「はーい」


お母さんの言葉に返事をして私は外に出た。


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