
君の瞳にときめきを
第2章 1週間前
ー1週間前。
その日の5時間目は美術の時間で、移動教室だった。
朝、コンビニから買ってきたパンを食べ終えると、美術セットと筆記用具を持って美術室へと向かった。
途中、渡り廊下を通ろうとすると、女の子の上ずった声が聞こえて、さっと柱のかげに隠れた。
「え、えと、拓海くん来てくれてありがとうっ‼︎」
「どういたしまして」
告白か…と思い、柱にもたれた。
さすがに、この現場で廊下を通るほどKYではない。
盗み聞きをしているような気もしたけど、出て行くよりはマシだろうと思い、ふぅ…とため息をついた。
