
バラードは君だけに
第4章 フラッシュバック
やがて海斗の家に着いた。
「おじゃまします」
私が靴を揃えて部屋へ上がると、海斗は言った。
「今日、誰もいないから気楽にしてね」
「あ、うん」
誰もいないんだ…お兄さんも。
しかし海斗の部屋に入ったとたん。
「きゃっ」
私はいきなり海斗に手首を掴まれ、引き寄せられた。
海斗の顔が近い。
ドクン…
あっという間に、唇が重ねられる。
「んんっ、海斗どうしたの…?」
「美羽、オレ達つき合ってるんだし、そろそろいいかなって」
「え、待って!」
「待てない、好きなんだ」
海斗にベッドに押し倒されると、私の中で何かがプツンと切れた。
