二面性*マクガフィン
第1章 プロローグ
ガチャ…
扉を思いっきり開けると、広々とした空間。
風が心地よい程度に吹いており、空の青と学校周辺を見渡すことができた。
「わぁ〜い、屋上だ〜♪」
テンション高い雅紀。
今日はとても良い天気だから…かもしれない。
「リーダー、着いたよー」
「………………」
雅紀とは正反対のテンションの智は今にも寝てしまいそうだ。
「やっと本に集中できる」
自分達が一番落ち着く場所に来たことで、顔が明るくなっていた。
………が、
「…………………」
「…………………」
この2人、潤とニノの顔だけは明るく…ではなく、強張っていた。
「……ん?2人共、どうしたんだ?」
気付いた翔。ニノの肩に自分の肘を置いた。
だが、彼の表情は変わらない。
「…………誰かいますね」