二面性*マクガフィン
第1章 プロローグ
「えっ……!?」
ニノの言葉で、眠たそうな智以外の翔と雅紀の顔も…少しだが強張った。
彼らが、どこ?と言っているような顔をしているので、ニノは指を差した。
その指の先を目で辿ってみると……
屋上の奥、手摺(てすり)に近いところに1人、立っていた。
「なぁ、ここ…俺らしか入れない場所だったよな?」
視線をニノに送り、確認で聞いてみる。
「はい、校長にお願いしたはずです」
細かいこと考えず、ハッキリ確認返事を返した。
翔は視線を1人に戻す…。
黒く長い髪……女だ。
右手にハサミ、左手に花を持っている。
そして、ハサミで花の茎を……
パチンッ……
様子を見る限り、女は生け花をしているようだ。
集中しているせいか、女はこちらに気付いていない様子。
「…………………」
両手をポケットに入れ、片足に体重をかけると、
「…………おい、女」
声をかけた。
屋上にいる人全員に聞こえるぐらいの声。
だが、女は反応しない。
ただ、手を動かしているだけ。
パチンッ…
茎を切り、側にある机の上の器に花を生ける。
これで終わると思いきや…
今度は違う花を手に取り、同じことをしようとする。
自分をわざと待たせているような女の態度にイラっときた潤さん。ついに…
「おいっ!!」
大声を出した。
「ちょっと松潤…」
雅紀は潤を抑えようとした。すると、
パチンッ……
茎を切る音が先程よりも大きく聞こえると、
「…………………」
潤のほうに…そして4人のほうに体を向け、姿を見せた。
ニノの言葉で、眠たそうな智以外の翔と雅紀の顔も…少しだが強張った。
彼らが、どこ?と言っているような顔をしているので、ニノは指を差した。
その指の先を目で辿ってみると……
屋上の奥、手摺(てすり)に近いところに1人、立っていた。
「なぁ、ここ…俺らしか入れない場所だったよな?」
視線をニノに送り、確認で聞いてみる。
「はい、校長にお願いしたはずです」
細かいこと考えず、ハッキリ確認返事を返した。
翔は視線を1人に戻す…。
黒く長い髪……女だ。
右手にハサミ、左手に花を持っている。
そして、ハサミで花の茎を……
パチンッ……
様子を見る限り、女は生け花をしているようだ。
集中しているせいか、女はこちらに気付いていない様子。
「…………………」
両手をポケットに入れ、片足に体重をかけると、
「…………おい、女」
声をかけた。
屋上にいる人全員に聞こえるぐらいの声。
だが、女は反応しない。
ただ、手を動かしているだけ。
パチンッ…
茎を切り、側にある机の上の器に花を生ける。
これで終わると思いきや…
今度は違う花を手に取り、同じことをしようとする。
自分をわざと待たせているような女の態度にイラっときた潤さん。ついに…
「おいっ!!」
大声を出した。
「ちょっと松潤…」
雅紀は潤を抑えようとした。すると、
パチンッ……
茎を切る音が先程よりも大きく聞こえると、
「…………………」
潤のほうに…そして4人のほうに体を向け、姿を見せた。