二面性*マクガフィン
第1章 プロローグ
「屋上ってさ、俺らだけが入れる特別な場所だから落ち着くんだよねー」
最後の段をピョンッ…と跳んで上がると、決めポーズ。
「いぇい!」
「…………相葉さん…カッコよく決めないでください」
「えーいいじゃん。こういう時さ、シャキーンと決めたくならない?」
ドヤ顔でみんなに決めてみせた。
…………………
「………あ、大野さん、やっと上がってきましたね」
「え!?スルー!?ちょっと待ってよ!少しぐらい反応してくれたって…」
「よし、着いたことだし、まったりしようか」
翔が雅紀の言葉を遮ると、遮られた本人は下を向いた。
そんなのはどうでもいい!と思ってるような顔をしていた潤は、翔の言葉で区切りかと思ったのだろう。
「よーし…」
ドアノブに手をかけた。