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cartoon association 2

第16章 A few hours ago

「おはよう。」

目を覚ましたらいつもの人が目の前にいた。

でも見たことのない部屋にいた。

それに、人はいつもの人やのに、雰囲気はいつもよりずっと怖かった。

何か、イヤな予感がする。

「いよいよ実験の成果を試す時が来た。隣の部屋にもう1人実験体を用意している。」

実験体。

ここの人たちは俺らのことを実験体って呼ぶ。

それを聞く度に人間として扱われてないことを実感する。

「そいつを使って侵入者を排除しろ。こいつを使ってもいい。侵入者を排除できれば何をしてもいいんだ。分かったか?」

「・・・はい。」

俺はこいつの言うことに逆らえへん。

頭が拒否しいひん。

自分の言うことを聞かへん体が怖い。

手は勝手にこいつが取りだした薬を取って、足は勝手に隣の部屋へ歩き出していた。

頭のどこかでこの薬を使うということは、みんなを裏切るってことや、って思ってるのに、思ってるのに体は勝手に動く。

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