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マシュマロボイス

第1章 花が舞う

「じゃあ、送ってくる」

「…うん」
「またね、相葉くん」

大野の家族に見送られて、自転車を押しながら歩き始めた。

「もー相葉帰っちゃうのか」

手を後頭部に回して、つまらなそうに言った。

「帰っちゃうのかって…」

「だってさー、俺には相葉しか友達がいないんだもん」

「は?」

大野の周りって、人多いじゃん。
友達だって、俺よりいるじゃん。

「だから、羨ましいよ」

目が合ってその目からは
「相葉のことが」と、言葉の続きが感じられた。

「な、なに言ってんの」

ちょっと怖かったのかもしれない。

いつも穏やかなオーラを纏った大野じゃなかった気がしたから。

「そーそー!マックはいつ頃奢ってくれるのー?」

「……いつでも」

マック奢りの件、すっかり忘れてた。
言われなかったら、気づかなかっただろうしなあ…。

「あ、でもポテトだけね」

「えー!?なんで!」

「だって、大野さーそれほど勉強教えてくれなかったしー」

もっと言えば、ほとんど寝てたし。

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