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マシュマロボイス

第15章 通り雨が近づく

「松潤とコイビトらしいことが、
全く出来ないみたいです……」
「え?」

大野が俯いて、頭を掻いた。

「ほら、セフレだったから…」
「あ、ああ…」

二人は元はそういう関係、
だったんだもんね。

「だからね、コイビトらしいことってのがわからないの」

あ、そうなんだ…。
コイビトらしいことかあ…。

「相葉はニノとどうなの?」
「へ?」
「コイビトらしいこと」

コイビトらしいこと?

『や、あっ…あ、ば…んんっ』

……ごめんなさい。
こんなこと思い出してごめんなさい。

「え?相葉、大丈夫?」

机に突っ伏してしまった。
あまりに自分情けなくて…。

「あ、うん…大丈夫…」
「でね、どんなことすれば……」
「手、繋いだりとか!」

前のめりになって言ってしまった。

「手?え、手ってコイビトでも繋いだりするの?」
「え、あ、うん」

普通は恋人が繋ぐんだけどね。

「あー、そうなんだあ。他には?」
「えっと……ちゅう?」

恥ずかしながらも言ってみる。

「…え?それってコイビト?」
「う、うん」
「なーんだ、そんなことかあ。
他には?」

そんなこと、なのか…。

「普通に話すとか」
「…それ」
「え?」

「それが出来ないの」

「…うっそ」

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