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マシュマロボイス

第15章 通り雨が近づく

(相葉side)

六限目。
これが終わったら帰れる。

今日はたまたま部活が無い。

ちなみに俺はバスケ部で、
二宮君は技術部らしい。

…にしても。
二宮君が眩しい。

雨は上がったみたいで、
二宮君のクラスは美術でスケッチをしているようだ。

二宮君は花壇のとこにいる。
パンジーかな?

スケッチに花を選ぶなんて、可愛い。
あと、授業中に二宮君が見れて幸せ。

「…雅紀」
「…へ?」
「先生、怒ってるぞ」

恐る恐る先生へと視線を向ける。

「相葉、お前どこ見てんだ」

…怒ってる。

「いや…あの…」
「好きな子でもいたのー?」

…大野、なんてことを。
ほら、教室がザワついちゃった。

「色恋に夢中になってる暇があったら
勉強せいっ!」

「ひゃ、ひゃい!」

慌てて噛んでしまった。

「あははー」
「噛むなよー」

教室が笑いに包まれる。

本当…勘弁してくれよ…。

「雅紀、ドンマイ」
「あ、はは…」

もう笑うしかないや…。

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