テキストサイズ

マシュマロボイス

第16章 揺れる心映す様に

「右耳は、大丈夫そう?」

母さんは意外と俺の近況を知らない。
俺一人で行くことの方が多いから。

「あー…まだ、なんとか」
「そう」

カチャカチャとお皿を重ねて、
キッチンに置いた。

「突然なんだけど…
明日から泊まりになりそう」
「え?泊まり?」

今までこんなこと無かった。

「諸事情で、ね…」

…。
わざわざ嘘なんてつかなくていいのに。

「分かった」

彼氏の家とかだろ?

「ご飯とか…」
「ん、何とかする」
「じゃあ三日位、家空けるわね」
「うん」

母さんは部屋に行ってしまった。
しばらくして、俺も部屋に戻った。

───

チャンス。
相葉とお泊まりのチャンス。

こんなに早くやってくるとは…。
なんとも嬉しい出来事。

て、ことで早速電話。

『もしもし』
「相葉、俺だよ♡」
『二宮君!まだ起きてたの?』

時刻は零時を廻っている。

「相葉も起きてたんだね」
『まあ…勉強とかね』
「勉強してるの?偉ーい」

俺なんてそんな気、サラサラ無いのに。

『偉くないよ。二宮君は何してたの?』
「え?相葉の事考えてた♡」
『二宮君』
「ん?」

『本当に可愛いね♡』
「相葉はかっこいいもん♡」
『いやいや、二宮君の方が可愛い♡』
「ううん、相葉の方がかっこいい♡」

こんなやり取りがしばらく続きました♡

━END━

ストーリーメニュー

TOPTOPへ