テキストサイズ

マシュマロボイス

第3章 あの日からちっとも変わらない

俺は片親だ。

母親しかいない。
父親は死んだって聞いてるけど、
嘘をついてることぐらいわかる。

きっと離婚したんだろう。

母親は、結婚する気すらなさそうだから俺の父親は
よっぽど酷い人だったんだと思う。

母親からは、たくさんの愛情を貰ったと思っている。

だけど、
生まれた時から俺の右耳は

よくなかった。


小学生の時。

20歳まで、耳はもたないと
耳鼻科の先生から聞いた。

隣で聞いてた母親は、
泣いてたけど

俺は涙すら出なかった。

どんな感情かも分からなかった。



ごちゃごちゃだった。



と、言うよりも突然のことで
頭がついていかなかったんだと思う。

だけど、中学生になって事態は
悪化したんだ。


校外学習の時。


右耳から入る音が一瞬だけ










遮断された。









ストーリーメニュー

TOPTOPへ