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マシュマロボイス

第6章 届かないこの声も-後編-

(相葉side)

明日は、小テストがある。
だから、家の近くのファミレスに勉強しに来たんだけど……。

「……」

全く、集中できない。
だって、右隣の席に二宮君がいる。

しかも、ずっとオレンジジュースをストローで啜ってる。

ムスッてした顔して、
ずっと啜ってる。

何もしないで、ずっと啜ってるから
オレンジジュースも直ぐになくなる。

「……」

黙って、ドリンクバーに行った。

二宮君、なんかあったのかなあ。
あんなにムスッてしちゃって。

「……あ」

戻ってきた二宮君が、オレンジジュースを溢した。

そのジュースが、俺のルーズリーフを濡らした。

「あっ」

「あ、相葉…ごめん…」

手元にあるナフキンで、
ルーズリーフの近くのジュースを手早く拭いてくれた。

「あ…濡れちゃったね……」

濡れたルーズリーフを見て、呟いた。

「大丈夫だよ?ほら、二宮君の服も
濡れちゃってる」

俺もナフキンで、二宮君の服を拭いた。

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