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マシュマロボイス

第6章 届かないこの声も-後編-

「あっ…」

……え?

バッと上を見ると、顔を真っ赤にした二宮君がいた。

「二、宮君?」
「…み、見んなあ……」

……可愛い。
スッゴい可愛い。

「二宮君、可愛い…」
「…え?」
「へ?」

二宮君が、また顔をポッと染めたから
なんかあったのかと思って考え──

「……あっ」

思ってたこと、言っちゃった。

……悪い癖だな、思ったこと口から出ちゃうの。

「相葉、手ぇ退けて?」

ずっと太股に置いていた手を、
勢いよく退かした。

「あ、ごめん…」

「……相葉って、面白いね」

濡れた服をパタパタと仰いで、
俺の顔を見て笑った。

「お、面白いかなあ…」

そんなこと言われたことないし…。

「うん。なんか、元気出たよ」

空っぽになったグラスを
テーブルの端に置いて鞄の中からノートパソコンを取り出した。

「相葉なら、教えてもいいかな…」
「え?」

「相葉は、俺の唄が好き?」
「うん!大好き!」

公共の場ということを忘れて、
大きな声で言ってしまった。

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