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マシュマロボイス

第7章 二回のwink

(二宮side)

走って、走って走って走った。

立ち止まったのは、
ヒトケのないトンネル。

「ごめん、急にあんな─」
「いつから?」

「え?」

イラッとして、胸ぐらを掴んでた。

「いつから、智と潤君がセフレだった」

目の前が歪んだ。
だから、いいかなって。

「あっ…」

知ってるような顔をしたから、
怒鳴り付けた。

「知ってんだろ!教えろ!」
「本当に…知らないよ……」

俺を見下ろす相葉が、泣きそうで。
でも、俺も泣いてて。

男子高校性が、
トンネルで泣き合ってる。

周りから見たら、おかしいよね。

「ごめん…相葉、ごめん…」

手の力を緩めて、
襟についたシワを伸ばした。

「……二宮君」

まだ潤んでる目で相葉を見ると、
そのまま言葉を続けた。

「こんなとこまで、
連れてきちゃってごめんね。
もう、潤君のとこ戻ろっか」

なぜか笑ってる。
泣きながら。

そして涙を拭って、
俺に背を向けて歩き始めた。

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