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マシュマロボイス

第7章 二回のwink

「あ、そっか…」

なんか、恥ずかしいな。
俺の声に惚れてくれたみたいで。

……声に、か。

あれ?
なんで、ちょっと残念がってるの?

俺、相葉のこと好きじゃないよ。

“この笑顔、好きだなあ”
“向日葵みたい”
“誰でも、魅了しちゃいそう”

……好きじゃん。
相葉の笑顔、大好きじゃん。

……嘘だろ。

俺、潤君と付き合ってたのに、
知らない間に好きになってた。

なんてこった。
頭が混乱してきた。

「二宮君、大丈夫?」

ソファーに凭れかかってる俺を見て、
心配そうに声をかけてくれた。

本当、心配性だなあ…。

今日だけで、何回俺に「大丈夫」って聞いてるの?

「大丈夫だよ」
「そっか、良かった」

「…」
「…」

再び、沈黙。

そりゃ、気まずいよ。

さっきまで友達だと思ってた人が、
俺のこと好きだって。

「二宮君、俺、帰るね」
「え」

俺、今、なんて思った?


“もう、帰っちゃうの?”


……俺、好きなのか?相葉を。

「時間も、遅いから…」
「う、うん。送ろうか?」

「大丈夫だよ。お邪魔しました」

呆気なく相葉は帰ってしまった。

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