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土砂降り

第17章 17

人生を振り返ると恥じる事が多い。

この先も僕は恥を蓄積しながら生きていくのかと思うと気は重くそのくせ面白くもとれる。



「なんであんな考えなしにベラベラしゃべっちゃったのかなぁ。」

ため息をついて机に項垂れる。

「そりゃぁ熱も高かったし、寝起きだったし、後先を計算できるほど頭はまわらないだろうね?」

その甘い笑顔で僕を覗き込まないで欲しい。

「春樹が止めてくれればよかったのに。」

下から睨み付けると、春樹は眉毛をハの字にして困ってますスマイルを作る。

「ずる賢く生きようなんて無駄なんだよ。素直になれてよかったじゃねーか。取り繕うとするからまどろっこしくなるんだよ。シカトモヤシ。」

シカトモヤシって気に入ったのか。
センスなさすぎだろ。健人ってあだ名のつけ方までストレートっていうか単純。

「あー。今すぐ地球、破裂しないかなぁー。」

「物騒だなぁ。」
クスクスと笑いを零す春樹に寄りかかって甘える。

「自分が逃げたいからって俺たちを巻き込むんじゃねーよ。マラソン大会前日の小学生か。」

健人むかつく。
冗談に決まってるじゃん。



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