はな*つむ
第3章 ハナ
闇烏討伐から数日後……。
氷雨と紅蓮はある場所に来ていた。
「ねぇ紅蓮、何故私達なの?」
緊張した面持ちで問い掛ける氷雨。
紅蓮は弱った表情で首を振る。
「全く……見当がつきません」
二人は長い廊下を歩き、白装束を着た人々が並ぶ中を通って行く。
「皇族から直接のお役目なんて……私に出来るのかしら」
不安そうに氷雨は呟く。
そう。
今回は都の主導者である帝の血族から出された役目だった。
もしも失敗したなら、斬首刑だって有り得る。
「……処断は嫌よ、死ぬなら戦って死にたい」
「氷雨様、お気を確かに」
後ろ向き状態突入になっている氷雨に紅蓮は言った。
「大丈夫、きっと今回も誰かが協力くださいますよ」
紅蓮に励まされ、氷雨は頷く。
呼び出された部屋に着くと、白装束の人がゆっくり戸を開いた。
中にいたのは凛々しい雰囲気を纏う女性と、まだ幼い少女だった。
「よくぞ参られました氷雨殿、お入りください」
そう促した凛々しい女性は長く艶やかな黒髪をしている。
涼しげな黒い目と紅を落とした唇は色気が有り、同性である氷雨ですらドキッとした。
女性の隣にいる少女は落ち着き無く氷雨と紅蓮をチラチラと見てや目を反らしている。
少女の方は淡く赤みのある黒髪を一まとめに結わいていて、瞳の色は深く暗い青色をしていた。
氷雨と紅蓮が中に入ると、白装束の人が静かに戸を閉める。
氷雨と紅蓮はある場所に来ていた。
「ねぇ紅蓮、何故私達なの?」
緊張した面持ちで問い掛ける氷雨。
紅蓮は弱った表情で首を振る。
「全く……見当がつきません」
二人は長い廊下を歩き、白装束を着た人々が並ぶ中を通って行く。
「皇族から直接のお役目なんて……私に出来るのかしら」
不安そうに氷雨は呟く。
そう。
今回は都の主導者である帝の血族から出された役目だった。
もしも失敗したなら、斬首刑だって有り得る。
「……処断は嫌よ、死ぬなら戦って死にたい」
「氷雨様、お気を確かに」
後ろ向き状態突入になっている氷雨に紅蓮は言った。
「大丈夫、きっと今回も誰かが協力くださいますよ」
紅蓮に励まされ、氷雨は頷く。
呼び出された部屋に着くと、白装束の人がゆっくり戸を開いた。
中にいたのは凛々しい雰囲気を纏う女性と、まだ幼い少女だった。
「よくぞ参られました氷雨殿、お入りください」
そう促した凛々しい女性は長く艶やかな黒髪をしている。
涼しげな黒い目と紅を落とした唇は色気が有り、同性である氷雨ですらドキッとした。
女性の隣にいる少女は落ち着き無く氷雨と紅蓮をチラチラと見てや目を反らしている。
少女の方は淡く赤みのある黒髪を一まとめに結わいていて、瞳の色は深く暗い青色をしていた。
氷雨と紅蓮が中に入ると、白装束の人が静かに戸を閉める。