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貴方に出逢えて。

第7章 ✿明日は明日の風が吹く✿



元気な姿を目の当たりにしていた森生にとってそれは信じられないことだった。

個人情報だから、と詳しく教えてくれない看護師に苛立ちを隠せなかった。

だが、それ以上に自分が紗良について何も知らなかったということを深く後悔した。

紗良はいつも森生に話をせがみ自分のことを話すことはなく、たまに、会話の途中で森生が尋ねても曖昧に誤魔化していたのだ。



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