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貴方に出逢えて。

第11章 ✿悲しみの果てに✿



「……ここは?」

目の前に広がる町並みを見下ろし凛は静かに尋ねた。

聖也が連れてきたのは町並みが一望できる丘だった。

「ここはな、俺が小さい頃よく来てた所なんだ。

ほら、夕陽見えるだろ?

自分ではどうしようもないほど悲しい時とか、辛い時あの夕陽を見ると、ざわついていた心が静まる気がするんだ」

そう言いながらゆっくり握っていた手を離すと、夕陽を凝視する凛を正面から見つめた。


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