先生、どうして死んじゃったの?
第3章 非日常の中の日常
そして、放課後H.R.を終え帰る用意をしていた。
倶楽部がある人たちは教室を出て行き、帰りの用意が遅れていた私と先生だけが教室にいた。
そして、私が上着を着るのにてこずっていると、
中田先生は手伝ってくれた。
私が
「中田先生ありがとうございます」と微笑みつつ言うと、
「どう致しまして」と先生が、
私の好きな笑顔で言ってくれた。
顔に疲れは出ていたけど、久しぶりの笑顔だった。
さようならの挨拶をお互いに交わし、私は教室を出た。
「ありがとう」
という中田先生の声が聞こえて振り向いたが、
そこに先生の姿は無かった。
私がみたあの笑顔が最期の笑顔になるなんて、まだ知る余地も無かった。