嵐しょーせつ。
第96章 涙の数
雅「ナナ…」
俺は彼女に頼まれたものを渡した。
「ん。雅紀ありがとう。」
満足したみたいで笑顔を見せた。
実は俺、彼女から暴力ふられていた。
表ではいいカップル演じ、
裏ではこんな感じで
王と奴隷。
俺はもちろん彼女の奴隷だった。
言うこと聞かないと暴力ふられて
まちがって買ってきてしまったものでも
暴力ふられて。
毎日が辛かった。
幸い一緒に住んでなかったから
夜は自分の時間だった。
このことは
幼馴染にも言ってない。
幼馴染は俺に彼女が出来た時だって
祝福してくれたし、応援してくれたし、
いいカップルでとおってる。
だから心配もされたくなくて、
言ってなかった。
「雅紀!!」
また彼女から呼び出し。
雅「…なに??」
「これ、買ってきてくれない?」
はぁ…またか…
雅「わかった!待ってて?」
俺は上着を持ち、外へ出た。
寒い中歩いていると…
?「おぉ、雅紀!偶然!!」
後ろから聞いたことのある声で
振り返ると
雅「…和也。」
偶然だけど、和也の顔を見ると
泣きそうだよ…
和「何?どうした??」
和也は少し泣きそうになってる俺に
ビックリした顔で様子を伺っていた。
雅「…ううん!大丈夫。
彼女から頼まれたものを
買ってるだけだから。笑」
和「ふーーん。
あっ!今日さ久々に飲まない?」
和也からの誘い。珍しい笑
雅「おう!いいよ!!」
和「よかったぁ笑
じゃ、夕方7時にいつもの場所で笑」
約束して、和也と別れ、
俺は彼女に頼まれたものを買い
すぐに戻った。
雅「これでいい??」
「うん!ありがとう!」
時間見ると夕方5時。
雅「俺、そろそろ帰るね。」
「え?ナナを置いて帰る気?」
雅「ごめんね、
俺、友達と約束があるんだ。」
「友達なんて今日はいいじゃん
ナナと少しでも一緒にいようよ!」
雅「でも…」
俺は考え込んだ。
すると、
バコンッ!
「考えなくていいの!!
言うこと聞かないとどうなるのか
わかってるわよね?」
暴力ふられて、ナナは俺の髪を
つかみ、そう伝えた。
俺は、和也からの誘いを
断るしかなかったんだ。