嵐しょーせつ。
第114章 俺だけを見て…
さっきの女子が…
「和也くん…」
和「ん?」
「…フラれちゃった。しかも好きな人居るんだって」
…え?
好きな人…?
和「そっか。兄貴なんて顔だけだから。
キミにはもっといい男ができるよ。絶対。」
好きな人がきになるけど…
「ありがとう。和也くん。」
女子は泣きながら笑って、俺に手を振った。
放課後になり、すぐ家に帰った。
そして、兄貴の部屋へ。
和「…兄貴!!」
雅「わぁ!なんだよ!!ノックしろよ!」
俺はおもわず…
和「なんで、彼女を振ったんだよ!
好きな人いるって言って振ったんだよ!」
兄貴に思いを強く言ってしまった俺。
兄貴は下に俯いてしまった。
雅「…本当だもん。好きな人いるんだもん。」
泣きそうな声で…そのまま顔を上げた。
雅「…でも。これは叶わない恋。」
兄貴は無理やり笑った。
和「…俺と一緒だ。」
雅「え?」
和「…実はさ。俺も叶わない恋なんだ。」
雅「…そうなの?」
俺は意を決して言った。
和「…俺は…俺、兄貴のことが…」
兄貴は黙って聞いてくれた。
和「…好き…」
…あっ、言っちゃった。
兄貴はビックリした顔だった。
和「今のは忘れてもいいから!
男の俺に告白されて嬉しくない…(ガバッ…)
言いかけたところで兄貴に抱きしめられた。
雅「ばーかっ!嬉しいよ。」
和「え?」
雅「俺の好きな人…お前なんだよ。」
兄貴から出た意外な言葉。
雅「俺、お前のこと、好きなんだよ。」
俺、兄貴と両想い!?
ヤバイ、嬉しすぎる!!
和「俺も兄貴が好き。まーにぃが好き。」
ガキの頃呼んでいたまーにぃ。
久しぶりに言うと、兄貴は…
雅「ふふっ笑まーにぃって呼んでくれて
ありがとう。だけど…恋人同士なんだから。」
兄貴は俺の耳元でこう吐いた。
『雅紀って呼んで』って…
和「…雅紀。」
雅「ん?」
和「嬉しいよ。これからもよろしくね?」
雅「こちらこそ。和。」
どちらからともなく、顔が近づいてきて、
甘い甘いキスをした。
幼馴染の3人に後日話すと…
喜んでくれた。
兄弟でもあり、恋人でもあり。
叶わない恋だと思ってだけど…
本当にありがとう。
俺だけを見てね?
大好きだよ。兄貴!!
end