君のそばに
第5章 左手
ほんっとに、鈍感なやつ。
態とやってんじゃないの?
俺はいつもそう思うね。
フジ「 っでさー、あいつ俺になんて言ったと思う〜?...キヨ聞いてる? 」
キヨ 「 ん、わりぃつまらなすぎてなんも頭にはいってねぇーわ、ムーディー勝山状態 」
フジ「 古ッ!!いつの時代だよそれ 」
キヨ 「 で、なに?お前のつまらない話の続きは? 」
フジ「 つまらないって...もー、だからぁ...」
お前のつまらない自慢なんて聞きたくねぇっつーの。
フジ「 でねー、酔っちゃって◎◎さんに抱きついちゃったりしちゃってさー 」
キヨ 「 ...ッ 」
フジ「 いやもういっぱい叩かれたけどなんとか許してもらえた 」
キヨ 「 そっか。お前抱きつき魔のキス魔からのドMだもんな。誰とでもそーゆーの出来ていいよな 」
ーーーーこんなこといいたくないけど。
落ち着け。落ち着くんだ俺。
あいつが誰と何をしようとただのチームメイトの俺には関係ない。
...ただのチームメイト。
自分で言って結構傷つくもんだな。胸が苦しい。
フジ「 もう、そんなんじゃないよ!まあキヨからの罵倒は心地よいけどね? 」
キヨ 「 ...ふんっ 」
今のこいつは俺に対しての扱いが慣れてるから、ちょっとやそっとの皮肉じゃ効かない。
そりゃ、俺だっていろんな人とコラボしたりしてるけど、境界線は引いているつもりだ。
なのに、こいつがら空きじゃねぇか。
お前の背後がら空き。
フジ「 何拗ねてるの?キヨ誘わなかったから? 」
キヨ 「俺は別に誘われたいとか思ってませんけど 」
フジ「 じゃあ、なんなのさー 」
ぷくっと、頬をふくらませるフジ。
か、可愛い。
キヨ 「 なんでもねぇーよ、はい、ちゃんちゃん 」
フジ「 自己解決!?めでたしめでたしじゃないから 」
探索したって、なんも出さないぞ?
村人に話しかけても、何も言わない感じだぞ今の俺。