君のそばに
第9章 お餅焼きし者2
僕は彼の笑顔が好き。
つられて、僕も笑顔になってしまうから。
僕が、フジに対する友達とは違う感情を抱いたのはいつ頃だっただろうか。
僕は、君が幸せでいてくれるなら、それでいい。
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桜が咲き始めたころの暖かい4月。
僕は、高校生になった。
ヒラ「 わぁぁ!やっちゃった、初日から遅刻だなんてボッチ確定のようなものじゃん! 」
昨日夜更かししたせいか、僕は大遅刻をしてしまった。
よりによって入学式で・・・。
ヒラ「 ・・・!?門が締められてる!ど、どうしよう・・・乗り越えるしかないのかな・・・ 」
生憎、僕は中学でも前の列だったから、当然乗り越えれる高さの身長など持ってない。
ヒラ「 うぅ~、助けて・・・ 」
僕はあれこれ試行錯誤を繰り返してよじ登ろうと思ったが、どれもこれも上手くいかず、失敗に終わった。
時計を見ると、既に15分タイムロスしていた。
ヒラ「 こーすけ~・・・ 」
僕はどうしようもない脱力感と共にその場に座り込んでしまった。
「 君も遅刻したの? 」
ヒラ「 ・・・!? 」
声の主の方を振り向くと、そこには黒髪で高身長のチャラ男が立っていた。
これが、僕とフジの出会いだった。