君のそばに
第9章 お餅焼きし者2
や、やばい・・・、僕の一番苦手なタイプだ。
目ぇつけられたらどうしよう・・・。
ヒラ「 え、えっと・・・僕身長が足りなくて登れなくて・・・で、その・・・えっと・・・ 」
頑張れ僕!!!
初日からこんなチャラ男に目をつけられたら華の高校生活が終わるぞ!
ヒラ「 えぇっと、だから・・・、勘弁してください! 」
??「 え!?なんでいきなり謝るの!?なんも悪いことしてないじゃん 」
ヒラ「 うぅ・・・、助けてこーすけ・・・ 」
??「 んーと・・・、取り敢えず中に入ろうか?ほら、もう時間が・・・ 」
目の前のチャラ男は時計を指差して微笑む。
ヒラ「 入りたいのは山々なんだけど・・・、身長足りなくて登れないんだ 」
??「 ふーん、そうなんだ 」
すると、チャラ男は門によじ登り学校の内側まで飛び降りた。
ヒラ「 え、えぇ!?一人で行くの・・・? 」
そりゃそうだ。全然タイプがちがう僕に助けてくれる訳ないか・・・。
僕は後ろを振り向き帰ろうとした。
??「 あ、これ鍵式の門だから内側でもあけられないや・・・、えっと・・え?帰ろうとしないでよ、ちょ、ちょっと・・・ねぇってば!! 」
ヒラ「 え、僕の事? 」
??「 君以外いないでしょ、この空間に 」
ヒラ「 手伝ってくれるの・・・? 」
??「 当たり前だろ!見捨てるわけ無いだろ 」
そう言って再びチャラ男は門によじ登り、僕に手を差し延べた。
??「 俺はフジ、君の名前は? 」
僕は手を握り締め、勢いよく門に駆け上がる。
ヒラ「 僕はヒラ、1-sだよ 」
僕はチャラ男・・・いや、フジと一緒に門の上から飛び降り、一緒に着地失敗した。
ヒラ 「 も~、ちゃんとしてよ・・・ 」
フジ「 ごめんごめん、てかさ、俺もs組だよ!一緒だべ 」
フジは嬉しそうに微笑みながら、僕のズレた眼鏡をかけ直してくれた。
なんだろう、この気持ちは。
・・・は、もしかして飛び降りた衝撃でどこか折れた・・・!?
ヒラ 「 うぅ・・・痛い 」
フジ「 え?どこが!? 」
ヒラ 「 心臓 」
フジ「 心臓!?ほ、保健室に・・・! 」
ヒラ 「 あ!!保健室じゃない!教室にいかなきゃ! 」