君のそばに
第9章 お餅焼きし者2
気付いたら俺 フジの家の前に立っていた。
ちゃんと、思いを伝えようと思ってね。
俺の初恋は涙と共に流れたけど、どうせならフジにも泣いてもらおうと思った。
フジは優しいから、絶対泣いてくれる。
なんでわかるかって?
親友だからだよ。
とは、言ったもののなんだかちょっと顔を合わせにくい。
やましい気持ちがあるわけでもないけど...どうゆう顔して会えばいいんだろう。
やっぱり帰ろうかな。
なんて、玄関の周りをウロウロしていた時。
フジ「 あれ、ヒラ!!!もう、どこ行ってたの!! 」
フジが左の道路から走って来た。
や、やばい。
逃げちゃダメなのに。逃げちゃダメなのに...!
足がいうこと聞かない。
フジ「 ヒ、ヒラ!待ってよ!! 」
フジはそのまま走り去ろうとする俺を追いかけて来る。
やだ...。
この気持ちにまだ終止符を打ちたくない...!
フジ「 ヒラ...、待っ... 」
俺が一瞬振り返った時に、フジは車に轢かれそうになっていた。
ヒラ 「 ...ッ!!!?フジッ!! 」
俺が駆け寄ろうとした時、横から見覚えのある背の高い茶髪。
キヨがいた。
キヨはフジの腕を引っ張って覆い被さるように歩道に倒れ込んだ。