テキストサイズ

君のそばに

第2章 お前の体温


なんでこいつはこんなにも無防備なのだろうか。

なんで俺の部屋でこんな無神経に寝れるんだろうか。

俺にはわからない。

キヨ 「 ...おい、ホントに寝てんのか? 」

フジ「 んんー...、え!?それ俺のだよ!? 」

キヨ 「 どんな夢見てんだコイツは 」

そう言って俺は、無防備に寝ているコイツの顔をじっと見つめる。

ほんと...、なんでこんなやつ好きになっちまったんだろう...。

他の奴のとこに行ってもこんな感じなのか?なんかそれはちょっといやだ。

ってか、コイツ天然にもほどがあんだろ。

フジ「 んん...、キヨ.. 」

キヨ 「 ...ッ、なんだ、寝言かよ..ふざけんな 」

今ならコイツの顔にキスしてもバレないか...?

いや、もし起きてしまったら俺はどうなる?

嫌われる?気持ち悪がれる?


一緒にいれなくなる...?


フジ「 ッゲホッゲホッ、う..苦し... 」

キヨ「 ん?なんだどうしたフジ 」

フジ「 キヨ..キヨ、行かないで..」

キヨ 「 ...ッ、コイツは...まったく、おいフジ!フージー!ジーフーのフージー、起きろよ 」

フジ「 んッ、んん...?」

キヨ 「 キスしちゃうぞ 」

フジ「 へぁ!? 」

フジがガバッと起き上がった。

あぶねぇ、聞こえてねぇ...よな?

キヨ「 お前が俺の部屋で寝るのは一万年と二千はぇーんだよ 」

いつものように、冗談混じりで話す。



絶対にこの気持ちが伝わらないように


俺はなんとなく気持ちを整理するために、ゲームを片付ける。

なのに、なんで

フジ「 俺も片付けるよ 」

なんで?

なんで、わざとなのか?素なのか?


都合のいい解釈をする前に、コイツから離れよう。

そして、俺はソファに座った。

なんとなく、フジをみると、ぼーっとしていた。

...コイツ、風邪でもひいたのか?

勝手に体が動いて、俺の手がフジの額に触れる。

フジ「 ...ッ!熱なんかないから、大丈夫!」

そういって、コイツは俺の手をどかした。


まずい



バレたか?



ストーリーメニュー

TOPTOPへ