
センシティブ♥ボーイ
第20章 金髪頑張る
「あれ、サトゥーも一緒?って、やだ!泣いてるじゃん!泣かせたの?!」
「真由美……空気読めって、まじで。」
驚いた顔をしてこちらを見つめる真由美さん。
そうだ、すっかり忘れてた。
鈴木くんが優しくしてくれるのと、自分が好きだって気持ちに気が付いて、舞い上がってすっかり忘れていた。
鈴木くんが真由美さんと付き合ってるってこと…
あんなにイチャイチャしてたところ見てたのに…。
僕の気持ちを鈴木くんが知って、あんな顔をするのも当然だ。
約束って…きっと……このあとデートの約束をしてたんだ。
それを…僕は……なんてこと…
この間キスもしてしまった。
「あ、あ、…あの…っごめ…っぼ、ぼく…邪魔…でごめ…なさ…っ」
「お、おい!佐藤!」
鈴木くんを突き飛ばして、真由美さんに謝った。
そんなつもりじゃなかった。
ただ、鈴木くんのことが好きだって舞い上がっちゃっただけで、二人を邪魔しようなんて…僕は…っ
不思議そうな顔をした真由美さんの横をすり抜けて、屋上の扉を引く。
涙を拭くことも忘れて嗚咽を漏らしながら、夢中で階段を駆け下りた。
