
センシティブ♥ボーイ
第21章 好きだってば
「お前はどうなんだよ」
「え……」
「お前は誰が好きなの」
そう言うと、佐藤はバツが悪そうに俯いてしまう。
あーあ、また顔が涙でぐちゃぐちゃだよ。
せっかく風呂入ってさっぱりしたのに。
「なあ、聞いてんだけど。
誰が好きかって」
「………」
「言わないと、もう一生俺ん家連れてこないぞ」
「……え……」
「学校で昼ももう一緒に食わねーし」
「……え……え…」
「もう、一生話さない」
「~~~~っ」
佐藤の瞳からは大粒の涙がこぼれる。
罪悪感はあるけど、好き、というその一言が聞きたくて、佐藤に触れることはせずに、その言葉を待った。
「ひ、引かない…?」
「引かねーよ」
「……嫌わない?」
「…嫌わねー、」
「……言ったら…毎日…話して…くれる…?」
「当たり前だろ。毎日、お前が嫌がったって話しかけてやる」
上目遣いで涙を堪えながらポツリポツリと話す佐藤の頭に、ぽんと、手を乗っけると、
佐藤の瞳からはまたぶわっと涙が溢れて。
震える声で俺の瞳を見つめながら、やっと待ち望んだ言葉を絞り出した。
「僕……僕……っす、すき…っ好きだよ…鈴木くんのこと……ぅうっ大好き…っ大嫌いなんていって……ごめんなさ…っ大嫌い…うそ…っ好き…すき…」
